7月29日(水)朝、曇り、のち晴れ

 

 7時過ぎ、眼覚める。アンナ、前駆陣痛がきているというが、二人とも寝直す。8時半ごろ起き出すとアンナも起きたので、ベッドで足マッサージ。階下に降りて窓を開けるが、なんとなくムッとして朝の涼しさがない。書き物。

 10時すぎ、アンナ起きて来る。マッサージのあと眠れたという。前駆陣痛が始まっているから、寝られる時に寝るのは良い。

 ヨガのフルプログラムを二人で。ヨガニドラの間、私が寝込んでいびきをかくのをアンナが聞いたという。ヨガそのものはさまざまな想念が去来して集中度はもひとつ。こういう日もある。ヨガのあとで、いつものようにアンナのお腹に手を当ててサニーの動きを探ろうとしたら、「そんなに強く押さないで」。普段より強く押したつもりはないのだけれど。いよいよ、母親の身体に変化が来ているに違いない。

 アンナのお母さんから電話。先日の煙突掃除の請求書の件。

 水やり。先日植えたズッキーニの葉っぱがまた喰われている。ナメクジ対策の銅テープの枠が小さすぎるようだ。

 私も母に電話。「ベイビーが産まれたら、会いに行きたい」と言うので、今は時期がベストじゃない、第一、オーストリアは今、日本人旅行客を受け入れていないし、と話す。「何も出来なくて申し訳なくって」と母。郵送も今はダメだから食べ物も衣料も送って貰えない。何せ二十日前に出した最速のEMSがまだ届かないのだから。とにかく楽しみにして待っていてもらうしかない。一刻も早くコロナ禍が終息することを祈る。

 昼食、昨夜の残りのパスタを納豆で。

 助産婦のエルザの検診が今夕あるかないか、5時以降に判明するので、それまでにスーパーへ買い物。

 5時にエルザに電話するが、連絡つかず。SMS送って、スタンバイする。出掛ける可能性があるので、パンにチーズでスナック。

 アンナは昨日に続いて「カミニート」の山吹色ラッカーの二度め塗り。私は出産プール用ポンプ一式を洗う。ズッキーニ用の銅テープ枠を大きめに作り直す。これで理論上ナメクジはアクセスできないはず。銅テープを厭わない猛者が出てこない限り。

 エルザからSMSあり、今日は検診できない、明日連絡すると言う。

 トマト・モツァレラで簡単に早めの夕食。

 食後、小散歩に出るが、アンナは前駆陣痛がつらく、引き返す。痛みがだんだん強く、間隔も短くなってきているようだ。「今からこんな痛みだったら、本番はどんなになるのかしら」とアンナ、不安そう。

 帰宅してから、ゆっくり休息することを勧めるが、先刻塗った「カミニート」を見て、「なにこれ、醜いわ!」。見るとガラスを固定するために扉の外側に使ったシリコンが、内側からガラス越しに丸見え。私はこういうディテールは気にならない大雑把な性格だが、几帳面な彼女は違う。カッターナイフを出してきて、シリコンを削ぎ落とす作業を始めた。私は『催眠出産』を読む。アンナ、痛みにもかかわらず、取り憑かれたように仕事をしているので、これくらいにして休むことを示唆する。彼女、渋々従うと、『Flow Birthing(出産の流れ)』というCDをかける。これはここ数日彼女のお気に入りで、音楽や語りで、アファーメーションやマントラでポジティブな出産のイメージ付けを促すもの。音楽は繰り返しが多いが、ハーモニーも美しくて悪くないので、ふと思いついてコントラバスで即興を入れる。アンナ、「綺麗だわ」。少し気持ちが落ち着いてくれたみたい。

 暑いのでシャワーを浴びてから、寝室へ。いつものように、足、肩、背中、腰のマッサージ。サニーに歌を唄ってからリラクセーションメソッドをする頃には、睡魔に襲われて私は舟を漕ぐ。寝床に就くと、程なく深い眠りに落ちた。

Popular Posts