7月12日(日)晴れ、涼しい



 7時前、アンナ起きたみたい。窓を開け、マッサージ。久々に黒ウタドリのオスが飛来する。「外、良い雰囲気ね」とアンナ。裏山の稜線に霧がかかり、そこへ朝日が映って美しい。

 下の部屋、窓を開け放つと涼風そよいで心地よい。緑茶を淹れて書き物。アンナはさっき「すっかり目が覚めたわ」と言っていたけれど、寝直したみたい。妊娠のこの時期にこれだけ寝られるのは良いことだろう。10時半ごろ起きて来る。

 好天で、先日お母さんの届けてくださった木綿のおしめをアンナが洗濯する。裏庭に干すと爽やかな風に翻って、波のよう。

 午後、アンナは昨日に引き続き食料品の整理。私は書き物のあと、領事館に提出する書類の翻訳。認知証明、アンナの国籍証明とパスポートをドイツ語から日本語に。これらを法定翻訳せずに自分の翻訳で済むのは、手間はかかるが、お金がかからないので助かる。

 「ちょっと来て、手伝って」と言うので行ってみると、エントランスに靴用の棚を作っている。これは良いアイディアだ。アンナ、電気ドリルを手に、「支柱、押さえててね、直角に、床からキッチリ8センチ」。私は床に横になるしかない。「あっ、動いたわ、やり直し」「あのね、言うのは簡単だけど行うのは難しいことってあるんだよ」と言うと、アンナ、笑い出す。

 夕食後、アンナは明日図書館で借りる本を検索してリストアップ。私はブログ掲載前の推敲。「うーん、この一語、こっちの方が良いか」。実を言うとこれが好きで、やりだすときりがない。

 就寝前、「サニーに何着せたらいいかわからないわ」。それは私も同じで、何せ経験がないのだから仕方がない。「お母さんのくれたのはちょっと古いし、傷んだりしてるし。このピンクの象さんのは着せても良いけど、新生児には大きすぎるし」。とにかく、数より質をという方針に落ち着く。

 足のマッサージをしながら私がうとうとしてしまうのを見て、「もう良いわよ、寝て」と言われるが、「いやこれはミッションだから、やる」と言うと、不思議なことに元気が出る。例によってお腹に手を当てて歌を唄うと、サニーは優しく動く。「サニーはマイルドだね」と言うと、「そうなのよ、一度も痛いと思ったことないわ、胎動が激しかった頃でも」。きっと心優しい子に育ってくれるのだろうと話して、私は穏やかに眠りに落ちた。

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