6月18日(木)パリ、晴れ
少しゆっくり9時すぎに起床。書き物。
先日のヴィデオキャスティングは不採用と知らせが来る。また別のもっとふさわしい役が来るであろう。
昼食を簡単にサラダ、チーズとパンで済ませてから歯医者へ。かかりつけの歯医者さんは産休なので、彼女の同僚でさらに若い女の先生。気さくな感じでとても丁寧にクリーンしてくれる。アシスタントの女性に、「役者さんなんですよね、パリで劇場出られるのですか?」と訊かれる。「ええ、でも今は時節柄ステージには立てませんねえ」と皆で笑う。
日本食料品店で有機の緑茶と納豆買って帰宅。
ほつれのあるセーターをすぐ隣の裁縫店に持って行く。多分パキスタン系のおっちゃんがやってる店で長年顔は知っているが行くのは初めて。明晩までに仕上げてくれると言う。
アパートに戻って今回のパリ滞在の主目的のひとつである衣類の整理をする。私はものを捨てるのが下手でなんでもため込んでしまう。衣類もそのひとつ。以前アンナが見て「よくこんなオールドファッションのもの、恥ずかしくもなく着れるわね」と言ったが、その手のものがごまんとある。「ヴィンテージと流行遅れは違うのよ、あなたは人前に立つ職業なんだからちゃんとしたもの着ないとダメ」とも言われて、納得。彼女自身、いわゆる「こんまり方式」で彼女の衣装戸棚を整理した経験があるから説得力がある。パリの寝室にハンガーで掛けてある上着やシャツは、ほとんど着ないものばかり。チョイスは存外にも自明で短時間で仕分けができた。
パリ市では衣料もリサイクルをしていて、うちの近くにも専用のコンテイナーがある。そこに捨てにゆくつもりだったが、ふとアイディアが。隣の裁縫店のおっちゃん、引き取ってくれないかな?話しに行くと、持って来なさいとのこと。重いので二度に分けて運び込むと、おっちゃん、「どれどれ、これOK、これもOK…」。何と全部引き取ってくれた!何と有難いこと。全部がリサイクルされるかどうかは定かではないが、少しでもお役に立てて貰えれば、こんな嬉しいことはない。
アンナは展示会出品に必要なものを自転車でハラインまで買いに行ったとのこと。新作の写真を送ってきてフィードバックを求められる。一昨日に見せてもらった試作品に比べ、ずっとクリアになっている。現物を見れないのが残念。
寝る前になって、何か物足りない。アンナのマッサージや、お腹のサニーに話しかけたり歌ったりする日課がパリでは無いからだ。ハラインを離れてまだ三晩めなのに、今から帰還を楽しみにしていることに気がついた。

