5月29日(金)くもりのち雨
7時半に起きて、古い冷蔵庫を送り出す支度。冷凍庫の中身はクールバッグに、それ以外もバスケット等に分けて取出し、裏口のステップに並べる。今月二度目の寒の戻りで、予報では今朝の最低気温は7度、最高14度、肌寒い。これはラッキー、日中の気温は冷蔵庫よりは高くなるが、今日中に新しい冷蔵庫が届くまでは持つであろう。
アンナ、9時ごろ起きて来て、マッサージ、ヨガ。
彼女の版画制作用に使えるので、冷蔵庫の棚板のガラスその他、キープすると言う。パーツだけでも役に立てるなら嬉しいことだ。彼女が内部の拭き掃除をしていると、「なんとこれ、イタリア製よ!」。EUの製造業の多くが旧西側諸国から他所に移ってしまった現在からするとちょっと驚き。9年前に買ったパリの我が家の冷蔵庫も今度ダウンしたのと同じメーカーだがポーランド製だし、今回の代替え機サーチで最初に見たモデルは中国製だ。2000年代初頭はまだイタリアで作っても採算が取れたのだろう。
6月中旬からいよいよ国境通過が緩むらしい。私のパリ行きの日程をアンナと相談する。彼女が制作で忙しくなる展示会に合わせてパリ往復することに。ドイツ鉄道のアプリで切符予約する。オーストリアとドイツ、ドイツとフランス間の国際列車は、まだコロナ以前の本数には戻っていないようだ。パリの行きつけのヘアサロン、かかりつけの歯医者も予約。
ウィーンの日本大使館領事部に電話する。とても感じの良い女性、知識経験も豊富そう。私の状況を素早く把握してくださり、適切なアドバイスを頂く。サニーが日本国籍を取るためには、出産前に「胎児認知」をすることを勧められる。何でも出産後の申請はぐっと複雑になるという。貴重な情報を頂いた。領事と確認の上、改めて連絡をくださるそう。とても有難い。
終日待ったが冷蔵庫、届かず。アンナが配達のステータスを調べると、「準備中」「コロナ禍のため配達が遅れています」とのこと。ラッキーなことに外の気温が低いので、朝から裏に出してあった食料品類、大きなプラケースに入れて、そのまま外に置いておくことに。もしかしたら明日土曜日に配達がないとも限らない。
パリのジョージからSMS、我々の二人芝居「君の家に火を放て」のトレーラーをYoutubeにアップした由。リンクを送ってくれたのでアンナと二人で観る。彼と二人で2013年の春から夏にかけて制作した。60年代に「その男ゾルバ」という映画があったが、その原作であるギリシャの現代作家、カザンザキスの同名の小説に取材して、ジョージが書いた作品。私は作曲、音楽、芝居、そして踊りを担当。ヴェテラン役者の彼との仕事は、滅法楽しく、しかも学ぶところ絶大であった。パリの La Maison de la Poésie で一回のみの公演。これは好評だったが、残念ながらプロダクションが付かず、お蔵入りになってしまった。七年振りに触れたこの作品、すっかり忘れていたことが多い。そして、手前味噌かもしれないが、はっきり言って悪くない。この美しい幻の作品が復活するなんて、夢の夢だろうなあ。
