5月3日(日)朝雨、のち晴れる
明け方、アンナがうめいているので、眼が覚める。足がつったのだという。起き出してマッサージ。そのあと私はまた寝入れたが、彼女はサニーの胎動で寝直せなかったとのこと。
ヨガの最中は脚に問題なかった由。
雨が上がったので「トマト、外に出す?」と訊いたら、「ちょっと寒いと思う」と言うので「じゃあ、ダイニングに持って来ようか?」。「ここは明るさの割にあったかすぎるわ。光の量と温度はうまくつり合いが取れていないとね。植物はみんなそう」。また勉強になった。
私が書き物の最中にアンナ、ニ階で電話。お母さんからかかってきて、「キュウリのこととか訊かれた」と言う。一昨年、昨年と続いて我々のキュウリは獲れすぎぐらいの豊作だったのだが、お母さんのところはどうもうまく行かないらしい。親子で共通の関心を持って情報交換しているのは微笑ましい。うちのサニーもこうなるのだろうか。まだ女の子か男の子かわかっていないけれど。
息抜きに庭に出る。見ると、巣箱にハエが3匹。昨日もハエがとまっているのを見たが。さっきまで雛の囀りは聞こえていたけれど、まさか、一羽死んでたりして?去年、途中で養育を放棄された雛3羽のミイラを秋になってから発見した時のイメージが、脳裏をよぎる。思い切って蓋を開けてみようか。アンナに相談すると、「開けてみたら?」。脚立を持ってきたら、折よく親鳥が出て行った。留守中にお邪魔、と開けてみたら…
6羽の雛が行儀よく並んで重なって、親鳥の帰りを待っている。6羽というのは今までの最多記録。親鳥がひっきりなしに餌を運んでいたのはこの大所帯のためだったのだ。これだけスペースがあるのに隅に集まっているのは、保温のためなのだろう。慌ててスマホで記念撮影。上階で制作中のアンナに見せると、「もうずいぶん羽も生え揃っているわ。巣立ちはもうすぐね」。
シジュウカラのつがいが巣を作るようになったのは4年前のことだ。玄関脇に置いてあったプランターのレタスの上に裸の雛が落ちているのをアンナが発見。見上げると梁と壁の隙間に巣が見える。これでは落ちるのも道理。ガラージの裏にあった使用済みの巣をリサイクル、これをバスケットに入れて近くに吊るし、落下した雛を入れておいた。それでも転落事故は防げず。3羽のうち最後に残った1羽のために、アンナが段ボールで急ごしらえの巣箱を作った。これが見事に巣立って行った。シジュウカラは、ある場所で一度子育てが成功すると何年でも戻ってくる習性があるという。次の春に私が廃材を使って巣箱を作ったら、戻って来て子育てに使ってくれた。こうして、彼らの営巣は春の風物詩になった。今年で5回目だ。
夕刻、昨日アンナが準備していたジャガイモの苗を植える。いくつかの種類があって、取り入れ時期も異なるはず。楽しみだ。彼女はさらに頑張ってレタスの追加分も植えてしまった。
就寝前、鳥たちのことを話す。アンナ、「巣立って行っちゃうと寂しくなるわ」。確かに。餌を親鳥にねだる雛たちの声は心地よいBGMなのだ。でも例年通りなら、夏までにもう一回子育てが待っている。最初のグループの教育が済むか済まないかのうちに、母鳥は2度目の産卵に備えて巣作りを始めるのだ。この勤労ぶりには毎年、脱帽させられる。
しばらくしたらまた帰ってくるだろう、きっと。
しばらくしたらまた帰ってくるだろう、きっと。