5月14日(木)またまたどんより曇り



 今日から妊娠30週めだ(日本式では29週め)。妊娠全過程の3/4をすでに経てきたというのはちょっと信じがたい。ここまでだけでも様々なことがあったので、6ヶ月前がずいぶん昔のような気がする。その一つは、私が1月の日本行きを懐妊判明前に決めてしまっていたので、つわりの一番ひどい時期に、ザルツブルクを留守にすることになってしまったことだ。時差のため深夜早朝厭わず私はできる限りのサポートをしたが、当然、不在を補えるものは無い。アンナ、よく一人で頑張ってくれたものだと今更ながら感慨深いものがある。このことに関しては、一生彼女に頭が上がらないだろう。
 幸い、サニーが順調に元気に育ってくれているのはこの上なく有難い。実は昨日、妊娠30週めの妊娠ウェブサイトを前倒しで読んだのだが、それから判断するに、どうもサニーは平均よりも数日先行して成長しているように我々には思える。まあたった2-3日のことだけれど。
 昨日、アンナがヨガの最中にめまいがしたので、今日はリンゴ一つ食べてからヨガ。結果は良く、サニーが今日も活発に動いているにもかかわらず、問題なし。先述のウェブにも書いてあったが、妊娠のこの時期は疲れることが多いらしく、昼寝を推奨してあった。アンナも昼食後、横になる。 
 夕刻、ショートウォーク。牧草地の真ん中を往くと、またまた両側に肥を撒いたらしく臭う。今夜雨が降る予報なのでその前に撒布したのだろう。私の電話予定があるので経路変更する時間もなく、我慢して歩く。
 リビングのペンキが終わるまで、コントラバスは疎開させてあるので、階上でバッハを弾く。やっぱりリビングの方が響きが良い。アンナはミシンで裁縫。ちょっと腰がつらいというので、就寝前にマッサージ。イヴェントの比較的少なかった一日が平穏のうちに暮れた。
 と思ったのだが、夜半、隣でアンナが動くので眼が覚める。腰と下腹部が痛いので寝付かれないと言う。ウェブで切迫早産とかも目にしていたから、ちょっと心配だ。サニーが「しゃっくり」をしている動きが感じられるから、元気なことは確かだけれど。時計を見ると3時半。起き出して「手当て」をするが、かなりつらそう。いくつかのポジションを試すうちにヨガの「子ども」に似た姿勢がちょっと楽だと言う。正座して脚を開き前屈みになったポーズだ。アンナは深呼吸を続けている。どれぐらいの時間が経ったのだろう。大粒の雨が降っているのが聞こえる。少し楽になってきているようだ、スイカが食べたいと言う。最近の買い出しでたまたま買ってきてあるので、それを切ってくる。
 先に書いたつわりの時もアンナが一番食べたかったのがスイカだ。もともと彼女の大好物。厳冬の1月に無い物ねだりと二人とも思っていた。私が日本から帰った翌日、スーパーに行ったら、「あれ見て、あるわ!」。飛びついて買って来たのだった。それ以来、この果物を折りあるごとに買ってくる。この季節、赤道を越えて運ばれてくるからエコロジー的には感心出来ないけれど。水分ばっかりとバカにするなかれ。ビタミンCやミネラルが豊かで果糖はインスタントエネルギー源。これを食べ終わる頃にはアンナ、すでに下腹部の痛みは和らぎ、ちょっと元気になったみたい。私が階下で片付けをして戻ると、トントントンと自分で背骨の両脇を軽く叩いている。「これやるとちょっと楽になるの」。彼女に代わってこのタッピングを続ける。やがて二人ともうとうとするぐらいまで落ち着いたので、改めて寝ることにする。6時半になっていた。

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