5月12日(火)どんより曇り、のち小雨
今日は助産婦のマグダレーナに会う日。アンナは3月にすでに会っているが、私は初めて。朝食後、契約書などに書き込み。少し書き物のあと私も髭を剃ったり準備。アンナ、「靴汚れてるわ。磨かなきゃダメよ」。この靴はヴァルトフィアトラーというオーストリアのメーカーのもの。この国の人でこの靴に誇りを持って履いている人も多いようで、いわばオーストリアの国民靴のような感じ。ちょっと独特の平べったい靴先に個性がある。アフターサーヴィスもしっかりしていて靴底が減って来たら、張り替えてくれる。雪の多いこの国にも関わらず、なぜかこの靴底がちょっと滑りやすいのが不思議だが。
13時半に出て、ザルツァック川上流のゴーリングという町へ。14時、マグダレーナに会う。最初はマスクをして消毒液で手を殺菌してから部屋に案内され、そこで初めてマスクを外す。彼女、落ち着いた感じでしかもフレンドリー、好感が持てる。アンナよりも少し若いだろうか。ハライン近くの私立大学で助産婦学の修士課程にいる大学院生でもある。会見はドイツ語だったがとても良い雰囲気で終始。会話の全てを理解できたわけではないが、私も自己紹介を兼ねて彼女の質問に答える。まず書類や手順、そして言うまでもなく出産、サプリメント、準備するものなどについて疑問点に答えてくれる。そのあとアンナが診察台に上がっての触診。サニーは順調に育っていて、すでに頭が下に来ていてポジションも良いとのこと。お腹の触診だけで頭はどこ、背中はどことか解ってしまうのだ。すごい、と感心するが、超音波検査とかが出来る前はこうやっていたのだろう。そして、木製の聴診器を使ってサニーの心拍も調べる。全く正常という。この心拍を私にも聞かせてくれた上に、聴診器なしでもトライさせてくれるが、残念ながらどれが心拍なのかは正確にはよくわからず。
1時間ちょっとの会見を終えて帰路につく。マグダレーナの考え方が我々のそれにかなり近いことが感じられた、とアンナも満足げ。「マグダレーナと、ちゃんと応答できてたじゃない」。自分でも驚いたのだが、ドイツ語会話が少し自由に感じられた。最近 Easy German という Youtube のヴィデオを調理をする時などに聞き流しをしているのだが、これの効果だろうか。ただし帰る間際に「お手洗いよかったら使ってください」と言われたのが聞き取れなかったので、家まで我慢する羽目になったが。
買い物してから帰宅。おやつに1ユーロで買ってきたマンゴ。ちょうどバッチリの熟し具合でサイコー。アンナが夕食の準備をする間、ピアノ。バッハに続いてモーツァルト、特に二楽章後半のいい加減な指づかいを直す。ちゃんとテクのある人ならこんなことしないでも良いのは明らかだが。
アンナの話では113歳のスペイン人女性がコロナにかかり、回復した、しかも症状は軽かったといいう。要は日頃からの摂生とストレスフリーな生活だろう。私もそれぐらい生きてみたいと言うと、「できるんじゃない」。その時はアンナは86、サニーは53だ。「サニーが生まれた2020年にコロナというのがあって、あの時に世界が大変化したのじゃ」と話しているのかもしれない。出来れば良い方向への大変化であってほしい。