4月9日(木)晴ときどきうす曇り
7時前、眼が覚め、そのまま起きてしまう。階下の鎧戸を開けると、ちょうど陽が昇ったところ。通り向かいのおばあちゃんの家、木塀の取り替えで職人さんが入っている。朝早いので感心する。逆にその分、午後は早めに仕事を終えてゆっくりできるわけだ。私も見習いたいものだが、言うは易し、行うは…
ヨガ。アンナによればサニーが「そこらじゅう動き回っている」のだそう。ヨガのあと、プランター類を屋外に出すのを手伝う。今の季節、大半の芽生えは夜間、屋内に取り込んでいる。こうして植物の面倒を見るのは存外に楽しい。これはアンナから学んだことだ。そういう意味でも今回、庭のある家に疎開していられるのは極上の贅沢だとつくづく思う。昨日のポストの虫の穴、アンナが二つめを近くに見つける。こちらの方がちょっと小さい。どちらもまだ閉まったままだ。この虫たち、我々よりも長く寝ているようだ。
パリの演劇仲間、ジョージからSMS。ギリシャ系フランス人の彼とは9年前にイリナ・ブルックの「パン」で共演して以来の良き友。「その男ゾルバ」にインスピレーションを得て二人芝居も作ったが、これは残念ながらプロダクションがつかず。奥さんのロザリーは脚本家。彼らはアテネで撮影の準備をしていたが、コロナ禍でやむなく中断して、ひとまず戻ってきたという。彼らは9月に孫ができるという。うちも子供が出来るよ、と伝えると、とても喜んで我々を祝福してくれる。
午後、久しぶりに近くのスーパーまで自転車で。昨夜の話し合いで結局、買い物は私もやろうという事になったのだ。入り口に若い店員がいて、ショッピングカートと買い物かごを一回一回消毒している。ただここはマスクを無料配布していないので、私も持参する。びっくりしたのは人がいないこと。この店はバスの乗り換え停留所にも近く、駐車場もロータリーに直結しているので、いつも繁盛している。これほどのガラ空きは見たことがない。イースター用のウサギ型チョコレートが人待ち顔だ。マスクの無料配布がないからだろう、とアンナは言う。
いよいよ、「春の大掃除」開始。この国の慣習なのか、ヨーロッパのそれなのだろうか。30年近く欧州に住んだくせに今まで知らなかったのは、掃除そのものに興味がなかったのかもしれない。春になって窓を開け放てるようになってから大掃除というのは理屈にはかなっている。我々はふだん、出来るだけ掃除機を使わず掃き掃除で済ませている。その方がエコだと思うから。でも今日は掃除機に御出勤願って、階下のリヴィングとダイニングから。アンナは庭仕事で忙しいから、これは私の分担。
夕食は定番のひじき玄米リゾット。今日はふんだんにクマニラを刻んでトッピング、さらにごま塩をかける。これだけでご馳走になってしまうのはやはりクマニラの偉大さであろう。
食後ブログ書いていると、「サニーが動くのが見えるわ!」。私も見てみるがよく分からない。まさか、私がじっと注視しているので、舞台慣れしないサニーが上がってしまっているわけではないだろうけど。