4月5日(日)雲一つない快晴



 少し早めに起きる。夏時間移行の時差解消に1週間かかったことになる。
 ウィーンから届いたかぶせ茶、マイルドで悪くはないが物足りない感じ。明日はちょっと浸出を長めにしてみよう。
 アンナ、瞑想のあいだ、サニーの細かい動きが感じられて、まるで蝶が舞っているみたいと言う。なかなか詩的、と感心。
 朝食のとき、アンナ、「あなたのボウルの外側にシリアルが一つくっついているのがすごい気になるんだけど」。妊娠時はいろいろなことが多感になるというけれど、これには笑う。我々の朝食は過去7年来、さまざまな変遷を経て来たが、最近はほぼオート麦のシリアルに落ち着いている。ライスミルクかオート麦のミルクかで柔らかくする。加熱はしない。大抵これにバナナあるいは他の果物が入り、トッピングとして亜麻の実、擦った白ごま、庭から採れたイラクサの種やローズヒップパウダーなど。アンナは最近はバオバブパウダー、私はイチジク、ナツメヤシ、すももなどのドライフルーツを刻んで入れる。オート麦はミネラルを多く含み、植物繊維、タンパク質も豊富で消化も良い優れもの。そういえば昔、私の父が晩年、毎朝オートミールを食べていたのを思い出す。「これは美味いんだぞ」、とか言って勧めていたが、私はついぞ食べた憶えがない。今その頃の父の年齢に近づいた私が、朝食に同じものを食べているとは興味深い。私もそのうち「これ美味しいんだよ」とサニーに勧める日が来るのだろうか。 
 午後、アンナ庭仕事、私は書き物。久しぶりにアルゼンチン産マーテを飲む。
 ちょっと庭に出たときに、冗談で「僕もお腹出てきた」と言ってお腹を突き出してみせたら、「本当ね、以前はずっと平らだったのに」と言う。見ると引っ込めたはずのお腹がポコっと膨らんで戻らない。私は生涯お腹が出たことがないのでちょっとショックだったが、アンナは「かわいい!」。まんざらでもないか。
 夕刻、例によって裏山でクマニラ摘み。帰りに小径を下ってくると、谷向かいの山から月が昇ったところであった。あと何日かで満月か。
 スナックに、ポテトチップス(余り健康的ではないが)をつまみながら、ブルターニュ地方の話をする。先日、芝居仲間のひろみさんが送ってくださった写真がきれいだったので。フランスに住むんだったらああいうとこがいいかなあとか話す。
 夕食前、コントラバス。久々に無伴奏の一番をサラバンドから始まり終楽章まで、そのあと戻って23楽章、最後にプレリュード。実は白状すると、私には、均整のとれたプレリュードがちょっと手ごわいのだ。この組曲、アンナには好評、「これ、何時間でも聴いていられるわ」。何時間も弾いたら、こちらの体がまいってしまうだろうが。
 晩ごはん、豆腐の生姜醤油ステーキ、チャードの炒め物、ふかしじゃがいも。どれも美味しく頂く。
 アンナ、背骨の付け根の右脇が辛いという。幸いギックリではないようだから、庭仕事で同じポジションを長時間キープしたことによる、筋肉のオーバーワークだと判断。私も春から夏にかけての毎夜のナメクジ退治で同じような経験がある。アルニカのチンキを塗って軽いマッサージ。
さて、「昨日の晩より早めに就寝しよう」と言いあわせていたのだが、二人ともなかなか踏ん切りがつかない。ふと思いついて、「背中のマッサージをやろうか?」と言ったら、「それならすぐ上の部屋行く!」。

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