4月15日(水)朝より快晴
今日は思い切ってヨガなし。
プランター類、外に出す。6鉢を5ユーロで買って来たトマト、かなり大きくなって、もう花をつけているものもある。このペースだと5月には収穫できる?
アンナ開口一番、「毎日おんなじハーブティー飽きたわ。朝食もいつも同じで退屈だなあ」。「そば粉でパンケーキは出来るのかな?」ということで、彼女は妊婦ヴィガンの本、私はネットで探す。「ベーキングパウダーとベーキングソーダってどう違うの?安全なのかな?」と訊くと、「あなた、そんなことも知らないの?ベーキングパウダー知らない人って今まで会ったことないわ!」と呆れながらも、「これとこれ」と言って見せてくれる。以前、私が住んでいた南仏の家のオーブンがずっと故障していたせいもあるけれど、私はベーク系の料理をピッツァ以外よく知らない。そのピッツァだって生地から作れるようになったのは近年のこと。またしても常識の欠如を曝け出す結果になった。
日本から取り寄せていた古本が届く。通常2週間以内で来るところが、3月13日に東京で出されて以来ひと月以上。日欧間のフライトが極端に少ないのだから、着いただけでも御の字だ。
昼食前、楽器弾く。ピアノは平均律1番のフーガと2番のプレリュード。コントラバスは無伴奏1番の前半3楽章。
昼食もアンナが「いつも一つ覚えのサラダ、ちょっとうんざりだわ」という。彼女の読んでる「The Artist’s Way」に「生活に変化を」とでも書いてあったのだろうか?というわけで、パーボイル米を炊く。ゆうべの残りのアマランサスのパティ、ギリシャ風に大豆ヨーグルトとオリーブそしてフレッシュミントを加えた人参サラダ。これは幸い好評で、楽しい食卓になった。
食後、二人して玄関前のステップに座り、陽の光を愉しむ。アンナは庭関係の読み物と書き物。私はさっき届いた古雑誌。「鉄道模型趣味、特集シリーズ2」、1957年発行。私が中学生の頃にすでに絶版になっていて、当時読みたいと思ったが果たせなかったもの。40数年を経て初めて見る誌面には感動。
4時のおやつのあと、アンナの庭仕事を手伝う。まず野菜床の修理。これは数年前に廃材を使って我々の手ででっち上げたものだが、柔らかい木を使ったのでちょっと弱かったようだ。長い木ネジで補修。ついで、「虫のホテル」作り。燃料用の硬い木にドリルで穴を多数開ける。全世界で激減している野生の蜂の繁殖に少しでも役に立てようというもの。
次に、前庭の拡張した野菜床を深く掘って地中の石などを掘り出す。そして耕す。鋤でほぐしてから手で探って石を探し出す。我々の家の建っている区画は、1950年代に盛り土されて宅地になったらしい。掘ると出てくるわ出てくるわ、石は砂利大のものから漬物石ぐらいのまで。レンガの欠けたのなど。びっくりしたのはコンクリートらしきブロックまるまる一つ。ガラス片や釘も。50年代という時代を考えると、戦争で破壊された建物の瓦礫を持って来たのかも知れない。思いも及ばない歴史が秘められているのだろうか、石は黙して語らないが。アンナは「金の延べ棒が埋まってるかもよ」と言って笑う。70年ぶりに陽の目を見る石たち。アンナは彼らを庭に活用するつもりだ。石に心が有れば、幸せに思っているかも知れない。
アンナの右臀部の「手当て」、継続。妊娠26周め(日本の25週め)を祝ってから、就寝。二人ともぐっすり眠る。