5月26日(火)朝少し陽が射したが後はくもり
今朝は替わりの助産婦候補のエルザとのアポイントなので、9時半過ぎに出る。カーナビはウェイズを使っているが、突然「新たなルート検討中」。あららっ、おおまかな見当で運転していたら行き過ぎてしまった。慌てて引き返す。
アンナをドロップオフしてザルツブルク中心部へ。すぐに駐車のスペースが見つかる。我々の車は車長が長いのでどこでも収まるという訳ではないのだが、私はいつも運が良い。ミラベル庭園近くのアジア食料品店へ行く。海藻類が切れたので、その補給が目的。コロナになるまではいつもパリで買って運んでいたのだが、今はその手が使えない。お目当てのワカメは品切れだったが、逆に韓国製のヒジキがあり飛びつく。加えてオーストリア製の有機納豆を発見。アンナが以前も話していたスロヴァキア国境近くの納豆屋(?)で、地元産の大豆で作っているらしい。少し値は張るが妊娠中には最適ともいえる食品なので、迷わずにゲット。出来ればこれを「元」にして自家製納豆が作れないかなという思惑もある。
時間があるので、界隈を少し散策。これだけ閑散としたミラベル庭園は見た事がない。歩行者専用のマーカート橋も信じがたい静けさ。世界中から訪れるカップルたちが愛の誓いの印として、埋め尽くすように欄干に取り付けて行った南京錠が、どんよりの曇り空とコントラストを演じて、かえって寂寥感を誘う。見るからに地元民のおっちゃんがオレンジのシャツも鮮やかにジョギングをして渡ってゆく後ろ姿が、対岸のゴミ収集車の同じ色と点対称で目を惹くのも、他が皆、沈んだ色調だからだろう。丘の上の近代美術館はアンナの勤め先だが、ここのテラスにも人影は見られない。
ミラベル庭園に戻ると、いつもは季節の花で溢れているこの庭に、彩りが少ないことに気がつく。逆に目につくのが、そこここで手入れに余念のない庭師たち。夏のシーズンに備えて、遅れた仕事の取り返しに大忙しのように感じられるのは気の所為か。庭園の北端のゲートとその前の階段はサウンド・オブ・ミュージックの「ドレミの歌」のロケ地でもあり、いつもはビジターでごった返している定番スポットなのだが、ここの「お立ち台」から俯瞰してみても、目に入るのは芝刈り機を押す庭師たちだけ。
概して市街地で目立ったのは工事中の場所が多いこと。鬼の居ぬ間の何とやらで、観光客の不在を幸いに、ザルツブルク市がまとめて溜まっていた工事をしているのかもしれない。
アンナをピックアップして帰途につく。エルザは先のマグダレーナとはかなり違うタイプ。歳もアンナよりは私に近い経験豊かなヴェテランだし、彼女自身、4人の子持ちだ。良く喋る人だそう。我々の理想とは多少ズレがあるようで、いろいろ検査を前もって受けることが条件だという。
母に電話して、サニーが女の子であることを報らせる。飛び上がるような喜び方。妹たちとその家族にもラインでメッセージ。みんながとても喜んでくれている。
夕刻、ブエノス・アイレスのネスターとワッツアップでやりとり。彼はサーカスの元同僚のお父さん。1年半まえにアンナと彼の地を訪れた時に、彼とチェチリアのカップルには大変お世話になった。現地は未だ禁足令が解けないとのことだが、女の子が生まれることを伝えると、彼らもまた大いに祝福してくれる。
助産婦のエルザが条件として提示したいくつかの検査のことが気になるので話し合う。
今日もまたウサギと亀、狸ばやし、加えて新しく五木の子守唄で一日が暮れ、サニーもゆっくり休めたのだろうか静かで、アンナも私も深い眠りに落ちることができた。

